友部正人より 
友部さんからのお便りのご紹介です。

2月2日(日)「長野 ネオンホール」

横浜から来るユミと長野駅で待ち合わせしました。金沢からの新幹線を下りると、長野駅全体がものすごい混雑で
改札口から全然出られない状態です。ほとんどが外国からのスキー客。

今回のネオンホールは、ゲストのジ・エンドこと櫻井トモマルくんとお互いの曲を2曲ずつアンコールで一緒に

やることになりました。ぼくの「ロックン・ロール」と「水門」、櫻井くんの「ロックンロール」と「ニセモノのギブソン」。
主催をしてくれた清水くん、カウンターで飲み物係りのたまちゃん、櫻井くんの三人はネオンホール創設時の
オリジナルメンバーで、まだ信州大学の学生だったかも。今はもうみんな五十代になってます。
あれから長い時間が過ぎたけれど、今夜は3人が勢ぞろいした懐かしいネオンライブになりました。

2月1日(土)「金沢 ジョーの箱」

能登半島の地震災害から1年、ジョーハウスの人たちはどうしてるだろうと連絡をしてみたら、
快くライブを引き受けてくれることになりました。最後に金沢に歌いに行ったのは2020年3月だったから
ちょうど4年ぶりです。
「銀座線を探して」の発売記念ライブでしたが、ジョーハウスの本池くんには能登半島の地震から1年という
気持ちもあったようです。今まで毎回能登から聞きに来てくれていた人たちが、今夜も来てくれていました。
ジョーハウスのライブはいろんな人にとって帰って来る場所なのかもしれないと思いました。

1月28日(火)「初期のバンバンバザール」

神戸から戻り家に荷物を置いてそのままサムズアップに「初期のバンバンバザール」のライブを見に行きました。
初期のバンバンバザールは路上から始まった彼らの一番最初の頃のメンバーで、ぼくとユミが彼らと知り合った頃
バンバンバザールはシェイキーズで生演奏のバイトをしていました。
それからリーダーの福島くんはメンバーを何度も変えて今に至っています。
今夜はバンジョーの安達くんの骨髄移植からの快気祝い。
現在と過去を行き来しながらの長年の彼らの活動には常に「初期のバンバンバザール」が根底にある気がします。
演奏している彼らも楽しそうだし、見ているぼくらもそれ以上に楽しくなれた夜でした。

1月27日(月)「BBプラザ美術館」

神戸のBBプラザ美術館で開催されている「WAKKUNのもらった種とまいた種」展でソロのライブをしました。
メインの展示場に椅子を並べて、WAKKUNの作品に囲まれてのライブでした。
神戸の震災から30年ということだったので、震災後にニューヨークで地元のミュージシャンたちと録音した
「夢がかなう10月」から久々に「月の船」も歌いました。
今は神戸在住のスズキコージ夫妻も聞きに来てくれました。コージくんとぼくの絵本「絵の中のどろぼう」が
40年ぶりぐらいに復刻されたばかりで、終演後は「絵の中のどろぼう」にコージくんも一緒にサインをしました。
美術館という場所、WAKKUNの作品、コージくんの存在とたくさんのお客さんのおかげで、神戸という場所に
また新しい絵本が生まれた感じです。

そういえば1月25日の朝日新聞朝刊で「絵の中のどろぼう」が紹介されていましたが、丸善の書店員さんによる
とてもいい紹介文でした。

1月26日(日)「名古屋 得三」

「銀座線を探して」のレコーディングメンバー(ベースの伊賀くんは欠場)で、名古屋の得三でライブをしました。
満員のお客さんがステージの演奏を盛り上げてくれます。
ベースなしでどうなるか少し心配でしたが、その分隙間があって、その隙間でみんなが自由に遊べたみたいで、
今までとは違う広がりが生まれました。みんなが鳥になったみたいに。
これはこれでおもしろいとぼくは思ったし、ユミは今後いろんなセットで歌ってみてもいいね、とわくわくしてます。

1月25日(土)「アコースティック・ギター・マガジン」

季刊アコースティック・ギター・マガジン冬の号(vol.103)で、おおはた雄一くんと対談しています。
新譜の「銀座線を探して」のライブ録音のことなどを質問されていて、それに二人で答えていますが、
その感じがステージで一緒に演奏しているときのようで、紙面でもセッションしているかのようです。

1月24日(金)「キノ・ライカ」

ジャック&ベティにキノ・ライカというドキュメンタリー映画をユミと見に行きました。
フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキが自分の住む人口9000人の村に映画館を自分たちで作るという話。
同じ村に住んでいる日本人の日本語の歌が何度も流れます。
自分たちの暮らしに映画館が加わることにとてもウキウキしている地元の人たちがとてもいい。
言葉は違っているかもしれないけど、「映画館は、自分がいずれはおさらばするこの最低な世界への
私からのお礼なんだ」というようなアキの最後の言葉が素敵でした。

1月23日(木)「原マスミ」「ソフィ・カル」

21日は青山のギャラリーMAYAに原マスミ展をユミと見に行きました。
原くんの展覧会は2007年の目黒美術館以来だったので、ぼくも楽しみでした。
猫と女の子の目はまっすぐ前を見ていて、見ているのはぼくなのに絵の中から見られているようで、
そんな楽しみも原くんの絵にはあります。絵と鑑賞者の心のサーカス。
MAYA2では過去の作品も展示されていて、ぼくは毛糸でぐるぐる巻きの女の子の絵が良かった。

今日は東京駅丸の内のソフィ・カルの展覧会に行きました。たくさんあるロートレックはすっ飛ばして、

ソフィ・カルだけじっくりの見て帰って来ました。原くんもソフィ・カルもユミが見ようと言った展覧会で、
ぼくはソフィ・カルのことは何も知らなかったので、何か手掛かりになるものを買いたかったけど、
本もカタログもラップされていて中が見られなくて買わなかった。それが残念でした。

1月22日(水)「ミュージックマガジン」

「ミュージックマガジン」2月号にぼくのインタビュー記事が載りました。
インタビューは主に「シングル・コレクション」についてですが、MIDIレコード在籍時代のことや
鮎川くんの話などもしました。小野由美子も少し参加してこの取材は楽しかったです。新譜のレビューも
書いてもらっています。音楽雑誌などは普段読まないのですが、こうして送ってもらったりすると
結構あれこれ読んじゃうな。やっぱり紙の本はいいですね。

1月21日(火)「月刊ちくま」

PR誌「ちくま」2月号に谷川俊太郎さんへの追悼文を書いたのですが、それが今日届きました。
追悼文は他に二人の詩人が書いています。
書店には1月下旬に配布されるそうです。探してみてください。

1月19日(日)「スターパインズカフェ」

昨年11月20日発売の「銀座線を探して」の発売記念ライブをレコーディングメンバーでやりました。
セットリストは、陸前高田のアベマリア/銀座線を探して/クミタテール/小林ケンタロウのいえ中華/声/ポテトサラダ/
はじめぼくはひとりだった/一枚のレコード/眠り姫/月がボタンをかけた夜/水上アパート/ぼくの宝石/
風がこんなにも/小鳥谷/水門/アンコール・もうずっと長い間/すばらしいさよなら/ブルース でした。
今回も全部録音しました。「銀座線を探して」には収録されなかった前回の演奏曲目と合わせて、そのうちにまた
アルバムとして発表する予定です。

1月26日の名古屋「得三」での発売記念ライブは、ベースの伊賀さんが都合で参加できません。

初めてベースなしのバンドになりますが、おおはたくん、芳垣さん、吉森さんの腕の見せ所となるでしょう。
そんな楽しみもあります。

1月11日(土)「横浜へ」

今回の仙台滞在は短かったけど、19日のスターパインズのライブのリハーサルも始まるので横浜に戻ります。
スターパインズは売り切れになっていましたが、新たに前売が追加されて、当日券立ち見も出るそうです。

それから、PR誌「ちくま」に谷川俊太郎さんへの追悼文を書いたことを12月の日記に書きましたが、

掲載されるのは1月号ではなく2月号で、1月末ごろに書店で配布されるということです。
「ちくま」は人気があってなかなか手に入れるのが難しい、とユミが言ってますが、ぜひ本屋チェックをしてみてください。

1月10日(金)「レコード市」「臨時の句会」

Ebeans9階で今日から始まったレコード市に行きました。今日も外は雪なのにたくさんの人が来ていました。
初日は掘り出し物が多いのかな。
そういえばぼくも火星の庭の中古レコード&CDのコーナーに補充しました。新入荷を見に行ってくださいね。

昨日中止になった句会を急遽今夜火星の庭でやることになりました。

昨日の新年会を兼ねた句会が雪で中止になり、みんな残念な気持ちだったので、集まれる人はどうぞ、
と呼びかけて。主宰の渡辺さんは来られなかったけど、7人が集まって自主句会というより飲み会か。
楽しくできました。今日も雪が降ってましたが、東北の人たちによると、今日の雪は危険な雪ではない、
という判断だそうです。昨日の雪は危険な雪だった、との違いが分からないのはほくとユミだけでした。

1月9日(木)「大雪」

仙台の人には大したことのない雪でも、ぼくとユミには大雪。気温も低く、路面は早くから凍結しました。
今夜は火星の庭で句会のある日でしたが、降りやまぬ雪や交通事情の心配があって急遽中止に。
ぼくとユミと火星の庭の前野さんの3人で、前野さんの作ったお雑煮やユミのパスタやホットワインなどで
こじんまりと新年会をしました。

1月8日(水)「青野文昭個展」

ギャラリー・ターンアラウンドに青野文昭個展に行きました。ユミが去年から見たいと言ってました。
拾ったものなどを使って絵にしたり立体にしたり、近寄って見なくては見逃してしまうものもあります。
驚きと発見が隠れている。ギャラリーなので、平面の作品が主でしたが、以前メディアテークで大々的な
展覧会をやったときは大きな箪笥などの迫力満点の作品がたくさんあって、圧倒されました。

1月7日(火)「仙台へ」

お昼ごろの新幹線で仙台へ。
まず部屋に荷物を置いて、駅ビルやアーケード街にユミと買い物に出かけました。
仙台はどこへ行くにも徒歩の街です。1万歩なんてすぐに超えてしまう。

2025年1月6日(月)「a complete unknown」

ティモシー・シャラメ演じるボブ・ディラン、彼自身が歌うボブ・ディランの曲。
どこかで「ボブ・ディランってこんな人だったのかな」と納得する演技力がありました。
スーズ・ロトロ役の女優さんが良かった。スーズさんは、デイブ・バン・ロンクが亡くなったあと
デイブの名前がシェリダンスクエアの通りの名前になったときの記念式典で見かけたことがあるけど、
「こんな人だったなあ」と思いました。映画ではデイブのことは完全にオミットされてましたが。